JSAI2026(人工知能学会全国大会)にプラチナスポンサーとして協賛しました

こんにちは!Data&Analysis部の今野です。

キャディは2026年6月8日(月)〜12日(金)にGメッセ群馬で開催されたJSAI2026(人工知能学会全国大会 第40回)にプラチナスポンサーとして協賛させていただきました。
この記事では5日間にわたる開催期間中の当社ブースの出展報告や、聴講した技術セッションのレポートをお伝えします。

会場紹介

まずは会場の様子を紹介します!

場内では複数のセッション・企業展示・ポスター発表が同時並行で実施されていました。企業展示では、多様な業界に跨る159社の企業が、生成AIに限らない幅広い機械学習技術の産業応用に関して紹介をしていました。私も色々なブースを訪れ、エンジニアの皆さんと意見交換をさせていただきました。

場内の案内図

大規模言語モデル等の生成AIとともにフィジカルAIも大きなテーマの一つとなっていて、実際に入口付近ではGMOインターネット株式会社のブースの前でヒューマノイドロボットが来場者を迎えていました。

入口から見た会場の様子

ブース紹介

次にキャディのブースについて紹介します!

ブースでは、主に私たちが提供している「製造業AIデータプラットフォームCADDi」の中で使用されている機械学習技術や現在取り組んでいる研究開発テーマの紹介をしました。また本サービスのデモを通して、実際に製造業の現場の課題解決にどのように貢献しているかを実感してもらえるようにしました。

 

 

注力してR&Dを行っているテーマの中でも、設計資産全体を横断して検索するための2D図面と3D CADモデルの埋め込み空間の統合・3D CADデータ内の加工に必要な特徴の認識・製造業ドメインに特化した独自の視覚言語モデル(VLM)評価ベンチマーク ManuDraw-Benchの3点について紹介させていただきました。

 

ノベルティとしては、キャディが各所で出展する度に大人気の「データ活用カツ」や製造業をイメージしたマイクロファイバークロスをお配りしました。

 

図面が文書としての特徴と幾何学的な形状が融合した複雑なデータであることやその中に潜む活用しきれていない情報の価値であったり、テキストや画像と比べるとあまり一般的でない題材の3D CADに対してどのようなアプローチを課題に応じて選択しているかについて関心を持って頂くことができました。

イベント期間中、キャディのブースに立ち寄ってくださった皆さん、本当にありがとうございました!

聴講したセッションの感想

次に、聴講させていただいたセッションの感想を簡潔にまとめます。

非構造データからの情報抽出

株式会社リクルートの中田さんとSansan株式会社の山内さんがオーガナイザとして実施されたセッションです。

複数ページの請求書 ・医薬品データ・技術マニュアル ・有価証券報告書 など、多種多様な産業の実務に溢れる「非構造データ」から、いかに正確かつ網羅的に情報を抽出するかという共通の課題に対する検証結果が発表されました 。

問題設定及びそれに対して提案された手法は様々ですが、ほとんどの発表においてVLMが手法の中心に据えられていたことが印象的でした。引き続き物体認識やOCRに特化したモデルの有効性は変わらないものの、大規模言語モデルの推論能力を生かした情報の構造化はこの領域において避けては通れないものになっていると感じました。その中で、プロンプトの工夫・画像の前処理・ステップの分割・検索システムの統合など能力を最大限に引き出すための多岐に渡る手法が検証されていました。

図面という非構造化データからの情報抽出は我々の中心にある課題の一つで、日頃の取り組みと密接に関連したセッションであり、これから解析対象のカバレッジを拡張していくに当たり非常に示唆に富んだ内容でした。

https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jsai2026/session/acHLauKQ

画像音声メディア処理:視覚言語理解とマルチモーダル生成

本セッションでは、画像・音声・対話データといったマルチモーダル情報を対象に、人間の認知特性や数理的アプローチを組み合わせて処理のブラックボックスを解き明かし、生成・推論の「制御性と効率性」をいかに向上させるかという共通の課題が議論されました 。

特に印象的だったのは、東京大学の大坂さんによるVLMにおける視覚アクセス境界の存在を実証した研究です 。この研究では、思考のプロセスを言語化させるChain-of-ThoughtプロンプティングをVLMで行う際、モデルが「長く考えること」で視覚的な特徴抽出を拡張しているわけではなく、実際には言語空間内での記号的推論を延長しているに過ぎないという機構を示すものでした。

過去のテックブログでも紹介しているように、図面からより高度な情報の獲得を目指していくに当たり、VLMのメカニズムに起因する視覚情報に基づく推論の限界は我々も課題に感じており、この問題を新たな視点で捉えられる研究内容であるように感じました。

https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jsai2026/session/fQHM84pJ

終わりに

5日間にわたるJSAI2026への協賛・参加を通じて、AIに関するアカデミックな着目点や産業応用における最新の機械学習技術について幅広い知見を得られる貴重な機会となりました。また、会場での多くの交流や専門的なセッションから、VLMの可能性など我々が日々取り組んでいる課題に対してもヒントを得られる非常に有意義な時間でした。

スピーカーの皆さん、参加者の皆さん、運営の皆さん、素晴らしい会をありがとうございました。

今後もキャディは技術的な挑戦や現場の課題解決に向けた取り組み、そして研究開発の内容を積極的に発信し、エンジニアコミュニティの発展の一助となれるような貢献を続けていきたいと思っています。

次回、また皆さんとお会いできることを心より楽しみにしています!