【現在の挑戦 01】グローバルカンパニーになるための開発体制のグローバル化と多言語化

はじめに

現在の8つの挑戦と未来の8つの挑戦

本記事は、以前公開した CADDi Tech 現在の8つの挑戦と未来の8つの挑戦 というコンテンツをより深くご理解いただくために、キャディのメンバーがそれぞれの挑戦の目的や意図を説明する連載記事となっています。

第一回は 「現在の挑戦 01」として「グローバルカンパニーになるための開発体制のグローバル化と多言語化」をテーマに、ベトナムオフィスでベトナムエンジニアリングチームの立ち上げを行っている佐藤がお届けします。

キャディビジネスのグローバル化

キャディは「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションとして、製造業の変革を行おうとしています。創業からこれまでの間は日本のお客様、日本の製造パートナーの方々と取引をさせていただいていて、「日本」の製造業を変革するスタートアップ企業と思われていたのではないでしょうか。

ですが、我々は元々日本に閉じこもるつもりはなく、世界中の製造業を変革する最初の地として日本でビジネスをしていました。そしてようやく準備が整ってきたので、この春から海外展開の第一歩としてベトナムのホーチミン市に初の海外オフィスを設立しました(プレスリリース)。ここを拠点に、ビジネスとテクノロジーの両輪でグローバル化を進めていくのですが、この記事ではテクノロジーのグローバル化についてお話したいと思います。

キャディの技術開発のグローバル化

なぜ開発組織をグローバル化させるのか

キャディはビジネスをグローバル化するだけでなく、技術開発もグローバル化しようとしています。その理由は大きく以下の3つになります。
1. 様々な能力を持つ優秀なソフトウェアエンジニアをより多く確保すること。
2. グローバルで活躍できる優秀なソフトウェアエンジニアを確保すること。
3. ビジネスの現場に近い場所に優秀なソフトウェアエンジニアを確保すること。

優秀なソフトウェアエンジニアをより多く確保する

日本のITエンジニアの人口は約120万人と言われています。この数はまだ増加していますが、日本の人口が減少し高齢化が進む中で、キャディの求めるソフトウェア開発のできるエンジニアを日本だけで確保するのは難しくなっています。さらにITエンジニアに対する重要が供給を上回っていて、給与レベルが他の職種と比べて高騰している状況もあります。そのため、エンジニアの採用は簡単ではありません。
一方で、日本の国外に目を転じてみると、全世界でおよそ2,300万人ほどのITエンジニアがいます。その中で、キャディと技術の志向性が合っていてキャディに興味をもっていただける方は限られていると思いますが、日本だけで探すよりは確実に多くの方に出会えると考えています。

グローバルで活躍できるソフトウェアエンジニアの確保

ビジネスがグローバル展開するにしたがって、キャディのビジネスを支える製造業受発注プラットフォームもまたグローバル対応が求められます。それは単純なUIの多言語対応ということだけではなく、長さ重さなどの単位の違いや通貨の違い、さらに各国の商習慣の違いなどによって、システムに対する新たな要求が世界中からやってくるようになります。

その多くは、1つの国だけであれば考慮する必要のない「余計な機能」という風に見えてしまうかも知れません。グローバル化の機能を追加することで、システムの複雑性が増し、テストも大変になり、不具合の可能性も高まります。

ただ、それはビジネスをグローバルに展開しより多くの人たちに我々のソフトウェアを使ってもらうためには必要なことです。そして、その開発に携わるエンジニアには、異なる国や地域の人たちとのコミュニケーションを円滑に進められること、そして異なる要求を理解しできるだけ整合性を保ちながらシステム上で実現していくことが求められます。

もちろん国内にもそういうエンジニアはいますが、日本は内需がそこそこ大きいので国内向けの開発だけをされている方が主流ではないでしょうか。海外には自国外のユーザーのためのソフトウェア開発を中心に行っているエンジニアが多くいて、キャディはそういった方々を積極的に採用していきたいと考えています。

ビジネスの現場に近い場所にソフトウェアエンジニアを確保する

キャディのビジネスがグローバル展開することで、「現場」も海外に散らばっていきます。つまり、実際の製造が行われる製造パートナーや調達を行う顧客が海外に存在することになります。そしてその受発注のオペレーションを行うキャディ内部のメンバーも必然的に世界に広がっていくことになります。

上記で述べたように、それぞれの地域で異なる事情があり、システムに対する要件も多岐にわたります。グローバルな感覚を持ったエンジニア集団がそれを集約してシステムに反映させていくということは当然やるのですが、それだけだとどうしてもスピード感が失われることがあります。

それを補うために、開発エンジニアが現場に近いところにいてクイックに開発を進められる体制も同時に作りたいと考えています。実感をもって課題解決に取り組むためには「現場」に出向いて実際に見て聞いて感じる、そして時に質疑応答をして理解を深めていくことが大切です。それをするためには、現場の近くにいて、現地の言葉を話せるエンジニアが必要で、そこで見聞きしたことを即座にシステムに反映させ、PDCAのサイクルを高速にまわしていきたいと考えています。

そのようにして作られたシステムは最初はその地域に特化したようなソリューションかも知れませんが、他の地域でも意外と同じ課題を抱えていたりするので将来的に横展開もしていけます。例えば、ベトナムのチームで開発したソリューションが日本のパートナー工場で使われるようになるという流れもできるかも知れません。これも海外に拠点を構えてエンジニアリングチームを作る理由の1つになります。

グローバル化の2つの軸

キャディの開発組織のグローバル化を考えた時に2つの軸があります。

1つは国内の開発組織に外国出身の方々に入ってきてもらうことです。日本人中心の組織から非日本語話者のメンバーも含めた混成のチームに変わることで日本国内組織のグローバル化を促進します。もう1つは海外に開発拠点を構えてそこでローカルの優秀なエンジニアに入ってきてもらうこと。そしてそれらのメンバーが日本のメンバーとやり取りをしながら組織全体でのグローバル化を促進する。ホーチミン市のオフィスはその第一弾ということになります。

多言語化

この2つの軸で組織のグローバル化を促進した場合に一番問題になるのは言語です。我々は基本となるコミュニケーションの言語は英語と考えています。では流暢に英語が話せなかったら仕事ができなくなるのか、そんなことは無いです。うまく話せないのであれば書けばよいし、うまく書けないのであれば機械翻訳に頼るでも良いと思います。

必要なことは「伝えること」で、複雑な文章を書いたり、込み入った話をする必要はないです。「日本語ならもっとニュアンス含めて伝えられるのに」ということもあると思いますが、込み入った話はだいたい日本語でも伝わっていない。

大切なのは相手に伝わること。読んだり聞いたりする相手の立場でシンプルに必要なことを伝える。相手も日本人同様、英語が必ずしも得意ではない人たちかも知れないので、それを念頭に置いて伝えるということが大切だと思います。

メルカリの方が「やさしいコミュニケーション」という考え方を提唱していますが、まさに、お互いに歩み寄ってコミュニケーションすることが必要です。英語が話せる人はできるだけわかりやすい英語を心がけて、「英語が共通言語なんだからわからない奴が悪い」という雰囲気を作らないようにしなければなりません。

そして「シンプルなコミュニケーション」というと要件だけを伝えるみたいに聞こえてしまうかも知れないですが、自分も相手も、感情のある生身の人間でです。例えば、相手に感謝を伝えること、相手を褒めること、苦労をねぎらうこと、などもコミュニケーションの中で忘れないようにしたいです。

英語習得のトレードオフとコツ

「英語で仕事をすることになると効率が落ちる」と言う方がいます。そしてそれはほとんどの日本人にとっては事実だと思います。また「英語の勉強する時間があったら、技術の習得に時間を使いたい」というエンジニアの方もいらっしゃるでしょう。それはそれで一理あると思います。

ただ、インターネットによって国境を超えて人と人が繋がるようになり、国を超えた人材採用も活発に行われています。我々もその流れで国外の多くの方に応募していただいていますが、本当に思いもしない国々からのお声がけもあります。日本国内でもキャディと同様に外国人の採用を積極的に進めている開発組織の話もよく聞きます。

そんな中で、エンジニアとして「日本語環境」という縛りを持ち続けて技術だけで勝負し続けるのか、海外の人材と一緒に働くあるいは海外で働くという選択肢を持つのか。それを自分のキャリアパスを考える時に意識すべきだと考えていて、それに応じて自分の時間の優先度を判断していくのかなと思います。

なお、「必要に迫られないとなかなか時間を割けない」という方もいます。これもまた事実なのですが、実はこの半分くらいの人は必要に迫られてもなかなかできない。何かと言い訳をして(「効率が落ちる」とか「こちらの優先度が高い」とか)、取り掛かろうとしない。まあ、夏休みの宿題と一緒ですね(笑)。

なので、取り敢えずそういう環境に身を置いて、あとは積極的にやってみるしかないかなと思います。今は昔と比べて便利なツールもたくさんあるわけで、そういうのを使いこなすのもテクニックの1つになるのだと思います。

そして、本当に大切なのは英語を読んだり書いたり話したり聞いたりすることじゃなくて、どうやったら相手に伝えられるのか、どうやったら相手の言いたいことを理解できるのか、そのコツを掴むことなのかなと思います。私もまだ全然できていると思っていません。でも、長い間やってきて、だいぶ遠回りした気もしますが、ある程度蓄積するものができてきて、ようやく伝えたいことをだいぶ伝えられるようになってきたかなと思います。

今後に向けて

組織のグローバル化を一緒に考えて行動する仲間を探しています

キャディのグローバル化と多言語化について、現時点での考えを共有させていただきました。冒頭に書いたとおり、キャディのグローバル化は今まだ始まったばかりです。今後、ここで書かれている事が微修正されたり方向転換されたりということも出てくると思います。むしろ、グローバル化の取り組みをしながら積極的にここに知見を追加していきたいと考えています。それを我々と一緒にやっていただけるメンバーを探しています。

エンジニアとして海外メンバーと一緒に働いてみたいという方もいるでしょうし、マネジメント的な立場で組織拡大にチャレンジしてみたいという方もいらっしゃるでしょう。ご興味のある方は、お気軽に 求人ページからカジュアル面談をお申し込みください。ここでは語りきれない現実の諸々もお話できると思います。または 各種エンジニア向けイベント も随時開催しています。こちらもぜひご覧ください。